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ご自宅がある場合、相続税への影響はどうなるのか?
2019/01/09
各種相談

ご自宅がある場合、相続税への影響はどうなるのか?

1.相続税とは?

ニュースや新聞などで、相続税という言葉をよく聞かれるのではないでしょうか。
特に、税制改正によって平成27年からは相続税の課税範囲が広がり、
ニュースでも数多く取り上げられました。


では、その相続税はどのような税金かというと、その名の通り、
相続が発生した場合に生じる可能性のある税金です。


全ての相続に相続税が発生する訳ではなく、
遺産総額が基礎控除額を超える場合に相続税が発生します。

 

 

2.基礎控除額はどのように計算するか?


上記「1」で記載したように、遺産総額が基礎控除額を超える場合に相続税は発生します。
では、この基礎控除額はいくらでしょうか?

以下の算式により計算されます。

「 基礎控除額 = 3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の人数) 」

 

 

3.遺産総額はどのように計算されるのか?


遺産総額は、その相続財産の種類に応じ、相続税法及び財産評価基本通達を基礎に評価し、
各相続財産の相続税評価額の合計により計算されます。

この評価計算は、専門家ではない限りかなり難しいです。
ここでは、ご自宅に関係する項目を、簡単に紹介いたします。

 

①建物
固定資産税評価額を基礎に評価計算を行います。
ご自宅として使用されている場合は、基本的には固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。

②土地
大きく分けると以下の2通りとなります。

 

路線価方式
国税庁が公表する路線価地域に存する土地であり、1㎡当たりの基準価額を基礎に評価計算します。

倍率方式
路線価地域に存しない土地であり、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価計算します。

③小規模宅地の特例
被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業用または
居住用に使用していた土地で、一定の要件を満たす場合は限度面積までの部分について、
評価額を50%~80%減額することができます。

なお、居住用の場合、面積制限は330㎡、減額割合は80%です。

※貸付事業用宅地等として特例を受ける土地がある場合、
 居住用の面積制限にも影響が生じますので注意が必要となります。

 

4.実際に相続税は課される範囲なのか?

相続なんてまだ先だし、相続のことなんて考えていない方が多いのではないでしょうか?
でも、上記の基礎控除額は意外と低い金額だと思いませんか?
今回は、以下の例を用いて、ご自宅の評価を簡単に行って、
相続税がどのようになるか確認してみましょう。

 

相続財産

 

5.基礎控除額の計算

上記の算式に当てはめて計算すると、以下のようになります。

 

基礎控除額

 

つまり、遺産相続額が、4,800万円を超える場合、相続税が発生します。

 

6.自宅の評価

建物と土地を評価する必要があります。

①建物
固定資産税評価額1,200万円 × 1.0 = 相続税評価額1,200万円

②土地
路線価地域に存しており、2つの路線に接している。

 

普通住宅地区

 

A.正面路線価320,000円+側方路線価3000,000円×側方路線加算率0.03
 =1㎡当たりの基準価額329,000円

B.1㎡当たりの基準価額329,000円 × 地積180㎡ = 59,220,000円

 

③小規模宅地の特例
対象の土地は180㎡であり、面積制限の330㎡の範囲内。
今回は、一定の要件を満たすものとして、適用します。
評価額59,220,000円 × 20/100 = 相続税評価額11,844,000円

 

7.相続税への影響

相続税評価額

 

ご自宅の土地につき、小規模宅地の特例を適用することにより、
大きく相続税評価額を下げることができましたね。
今回のケースであれば、相続税評価額の合計が基礎控除額を超えないため、
仮に相続が発生したとしても相続税は発生しないことになります。

また、他に財産があり、仮に相続税が発生する場合であっても、
ご自宅に係る小規模宅地の特例は相続税評価を大きく減額できるため、かなり効果的と言えます。

 

つまり、ご自宅の土地については相続税上、
小規模宅地の特例を適用することで大きく評価を減額することが出来ます。
これにより、相続税の負担を大きく減少させることが出来ますね。

 

8.最後に


今回は、マイホームのみを所有しているケースを例をとして、
相続税はどのようになるか?を、簡単にご紹介させていただきました。

マイホーム以外にも投資不動産や、有価証券、特にご自身の経営する会社の
株式を保有されている方は多いのではないでしょうか?

 

「実際のご自身の財産額はどれくらいなのか?」「相続税の課税対象となるのか?」
「想定される相続税はどれくらいなのか?」など、
一度確かめておくことが将来設計について役立つものと思います。

また、相続税評価には細かい規定もありますので、
実際の評価計算を行う場合は、税理士にご相談ください。

 

※当コラムは南青山リーダーズ株式会社 編集部様より寄稿いただきました。

 

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