賃貸管理会社(建物オーナー)が賃借人に対して建物の明け渡しを求めても、
賃借人が拒否する場合には、最終的には裁判で明け渡しの可否を争うしかありません。
実際に裁判を争わなければならなくなった場合に備えて、事前にどのような準備をするのか、
裁判の場では何が争点になるのか、判決はどのような内容になるのかなどについて
必要な知識を備えておきましょう。
この記事では、建物の明け渡しを裁判で争う際の流れなどについて解説します。
賃貸借契約が終了したと言えるかどうかがポイント
建物明渡請求訴訟においては、賃貸人側の主張としては、
「賃貸借契約が終了したのに、賃借人が無権原で建物に居座っている。だから出ていけ」
ということになります。
一方、賃借人側の主張としては、
「賃貸借契約はまだ有効に存続しているから、自分には建物にとどまる権利がある」ということになります。
したがって、裁判のポイントは「賃貸借契約が終了したと言えるかどうか」にあります。
裁判の前に準備すべきこと
訴訟を提起する前に、建物オーナーとしてはどのような事前準備をすれば良いのでしょうか。
以下で解説します。
①弁護士に相談する
②賃借人に対して更新拒絶通知または解約申入れを行う
③賃借人と明け渡し交渉を行う
①弁護士に相談する
実際に裁判になる場合には、代理人として弁護士を立てることが通常です。
そのため、事前準備の早い段階から弁護士に相談し、
明け渡しの実現に向けての戦略を一緒に練るようにしましょう。
②賃借人に対して更新拒絶通知または解約申入れを行う
建物の賃貸借は、定期建物賃貸借の場合を除いて、
期間満了の6ヶ月前までに相手方に対して更新拒絶の通知をしなければ自動更新されます。
(借地借家法第26条第1項)
そのため、自動更新をストップさせるために、賃貸人は賃借人に対して更新拒絶通知を行う必要があります。更新拒絶が認められれば、6ヶ月の猶予期間が経過した後、賃貸借契約は終了します。
また、建物賃貸借契約は、賃貸人からの解約申入れによっても終了させることができます。
(同法第27条第1項)
よって、賃貸人としては、訴訟を提起するための事前準備として、
賃借人に対して、賃貸借契約の更新拒絶通知または解約申入れを行い、
6ヶ月の猶予期間の経過を待つということになります。
③賃借人と明け渡し交渉を行う
裁判にならずに円満合意により明け渡しが実現すれば、
お互いにとって納得できる解決が得られますので、それに越したことはありません。
賃貸管理会社(建物オーナー)としては、賃借人が置かれている状況について、
賃借人からよく話を聞くことが大切です。
その上で、立退料の提示を含めて、賃借人側の不満をうまく解消する方向へと持っていきましょう。
裁判では正当事由の有無が争点、立退料の金額もポイントに
裁判が進む中で、裁判官が何度か両当事者に対して和解を勧告する場面があります。
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≪記事作成ライター:弁護士YA≫
大手法律事務所にて弁護士として金融法務に従事。 退職後にフリーライターとしての活動を開始。
法律・金融関係の執筆を得意とし、企業媒体への寄稿を中心に幅広く記事を提供。
条文・文献・実務経験等に依拠した、確固たる根拠に基づく執筆を持ち味とする。
クラウドソーシングサイト・ランサーズでも活動中。 趣味は将棋。
【転載元】
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