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AIチャットボット、賃貸業界ではどう使う?(1)
2018/12/05
業務効率

AIチャットボット 、賃貸業界ではどう使う?(1)

去年、今年と、弊社も全国賃貸住宅新聞社主催の賃貸住宅フェアに出展したのですが、
比較的新しいITを活用したサービスで言うと、

・不動産査定などの価格可視化のシステム
・不動産のマッチングシステム
・IoTを使ったスマートロック
・VR内見などのシステム

他にもありますが、この辺りが主だったところではないかと思います。

 

今年も出展して感じたのですが、
『AIチャットボット』については非常に少なかったですね。

そもそもAIチャットボット自体が業界に特化したサービスでもないため、
少ないのかもしれないのですが、同じビッグサイトのイベントでも、
『AI・人工知能EXPO』などでは、専業のAIチャットボットメーカーなども含め、
数十社がAIチャットボットで出展しているのですが、
賃貸住宅フェアでは、AIチャットボットの出展は弊社含めても、
数える程度しかなかったのが印象的でした。

 

そこで、今回のコラムでは 賃貸 × AIチャットボット というテーマで、
複数回に分けて寄稿しようと思います。

 

まず今回は、AIチャットボットってなに?


ここからスタートしようと思いますが、
今回は主に、

・AIチャットボットって言葉は知っているけど実はよく分かってない!
・AIチャットボットなどのAIを使ったサービスに馴染みのない方!
・今後、AIチャットボットを使ってみたい!

こういう方を対象にしておりますので、そのつもりでご覧になってください。

 

まず「AIチャットボット」
言葉は聞いた事はあるが、実はよく分かっていないという方のために簡単にご案内しましょう。

まず、チャットボットは「Chat(対話・会話)」「Bot(ロボット)」からなる造語です。
そこに「AI」がくっつくわけです。

つまり、自動で会話するマシンと言えますね。
ですので、AIとチャットボットは同じではないんです。それぞれ独立したサービスでもあるんです。

で、私もよく質問されるのですが、

 

「全部自動で回答してくれるのですか?」
「どこまで自動なのでしょうか?」
「AI使っているのと使っていない違いはなんでしょうか?」

 

本当にこの手の質問をよくされます(苦笑)

 

現在、市場では単に『チャットボット』とか、
区別するために『AIチャットボット』と表現している企業もありますが、
“チャットボット”を一括りにして大別すると、

 

1.AIを使っているか?いないか?
2.AIを使っていれば、教師あり学習か?教師なしか?

チャットボット

※一応マップをはさんでおきます。

 

これに分類できます。

AIを使っていても『チャットボット』としか表現しない企業もありますし、
『AIチャットボット』と載せている企業もありますが、
チャットボット=AI では必ずしもない、という事は皆さん覚えておくとよいと思います。
※最近はほとんどがAI利用していますが。

 

少し前後しますが、現在、製品化されているサービスで、
教師なしタイプのAIチャットボットはまだ市場にでてはいないかと思います。
※とは言え、IT業界の技術革新のスピードは速いので、
これを書いている頃には実は出ていたりするかもしれませんが・・

 

で、『教師あり学習』とか『教師なし学習』と聞きなれない言葉だと思いますが、
これは簡単に言うと、

教師あり学習 ⇒ 人間が先生となって、AI(機械)に言葉の解釈や定義を教えてあげる
教師なし学習 ⇒ 人間の先生を必要とせず、AI(機械)が自ら学んでいく

こういう違いがあります。
現在、サービス化されている大半のAIチャットボットが、
“教師あり学習”“ 、こちらになります。

 

皆さんもお聞きになったことのある、IBMのWatsonも教師あり学習のタイプになります。
※AI=人工知能としているところがほとんどですが、
 IBMは、AIを「Artificial Intelligence(人工知能)」
 ではなく、「Augmented Intelligence(拡張知能)」として定義しています。

 

先程、よく質問されることの一つにも書きましたが、
「AI使っているかいないかの違いって何か??」というのがありますが、
これを説明する前に、必ずと言っていいほど次の質問を先にされるので、
こちらも説明しておきましょう。

 

「チャットボットで、AIはどこに使っているんですか?」


この質問です。
で、次の回答をすると必ずですが、ガッカリされます(苦笑)

「AIを使っているのは質問や表記の揺れをカバーしてくれることと、
文脈をみて多少の誤字や脱字までカバーしてくれることでしょうか。」

こう答えると、ほぼ間違いなく(いや、ほぼ全員と言ってもいいですね)、
「たったそれだけなんですか?」となります(苦笑)

 

大半の方が、AIだからということで、
もっと何かやってるんだろう!という、我々からすると過度の期待と申しますか、
AI故、全部自動なんだろう!という大きな期待感があるのだろうなと思います。

 

以前、某大手仲介会社の事業推進部門の部長さんとお話ししたのですが、
「極端な話し、我々はドラえもんが欲しいんだよね」と仰っていたのを、
このコラムを書きながら思い出しました。

 

顧客接点でドラえもんが欲しい…言いたい事は分かります。
私もあれば欲しいぐらいです(笑)

 

ですが、一部の企業がチャットボットを上手く活用している一方、
それ以上に、上手くいってない企業があるのも事実です。

 

確かに現在、AIチャットボットを導入されるお客様で上手くいかないケースの大半が、

1.過度に期待しすぎている
2.AIが全てを自動化してくれると思っている
3.AIチャットボットの理解が乏しい

ほぼこれだと思います。
弊社に過去にお話しがあったケースとしては、今あげたようなものばかりでした。

 

「Watson導入しているんですけど、使い方が分からなくて全然使えてません」
「AIチャットボットって、全部、機械がやってくれるんじゃないんですか?」
「学習データってどう作るんですか?自動ではできないんでしょうか?」

 

チャットボットという言葉は浸透しているかなぁと思っているのですが、
不動産業界ではまだまだ正しく認識されていないかな、と感じますね。

 

大手企業でも先ほどのような認識の方もいるぐらいですから、
ある意味仕方ないのかもしれません。

 

まだ、AIチャットボットは教師ありタイプのAIがほとんどと言いましたが、
例えば、FAQやお客様のお問合せ対応をチャットボットで代替しようとした場合、
まだ、学習データの作成やシナリオ作りなどは人間がしなければなりません。

※学習データとは、利用者が質問してくるであろう代表的な質問と回答するカテゴリーを作る作業
※シナリオとは、例えば、アパートを借りようとしている人に対して、賃料は?間取りは?
 最寄駅は?などの情報を階層構造にして正答に結び付けるような作業

 

そうなると、先ほどの質問に戻って、
「なんかAIじゃない!」となるわけですね。

 

まだまだ全てを全自動というわけにはいきませんが、
先程お話ししたように、AIが表記の揺れや文脈の誤字や脱字等をカバーするというのは、
相当便利な事ですし、人間と違い働く時間に影響されず、文句も言わないで、
AIチャットボットが顧客対応してくれたり、社内の問合せ対応をしてくれる、
というメリットがあります。

ですので、正しい利用の仕方や活用方法が分かっていない、という方が正しいかもしれませんね。

 

少し長くなってしまいましたが、今回は、

チャットボットってなに?
AIチャットボットはなにができる?
AIはどこで使っているの?

これらについてまとめてみました。

 

次回は、賃貸業界でどうAIチャットボットは使えるのか?
この辺りを具体的に書こうと思います。

 

本日もお付き合いくださりありがとうございました。

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※当コラムは株式会社CBIT執行役員 庄山幸一様より寄稿いただきました。

 

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