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空き家の実質利回り11%越えを成功させた出口戦略
2019/12/20
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空き家の実質利回り11%越えを成功させた出口戦略

こんにちは。センスコンサルティングの林です。
当社は、民泊や旅館業許可申請、宿泊施設の管理運営を行っています。

現在、民泊を始めとした宿泊業界は海外観光客を中心としたインバウンド需要によって活況です。年々、訪日外国人数は増加しており、外国人観光客のニーズも多様化しています。

最近では首都圏や市街地だけではなく、郊外の物件であっても高い需要があることをご存知でしょうか。

今回は、郊外の空き家を民泊化することによって11%以上の利回りが生まれただけではなく、投資物件として出口戦略も持つことができた事例を紹介します。

 

 

まったく買い手が付かない物件


2018年、ある空き家のオーナー様からご相談をいただきました。

青梅市にある空き家の所有者で、「売りに出しているのだが全く買い手が付かない」という内容です。空き家の最寄り駅はJR青梅線の御嶽駅。築年数は40年以上の木造平屋の一軒家でした。

駅から徒歩8分と好立地ですが、そもそも御嶽駅が都内から1時間半ほどのアクセスであることから、なかなか住居として購入検討をする人がいないのも納得です。

また、青梅街道に面していることから土地価格が上がり、売り出し価格も1,980万円と周辺相場よりも少々割高なことも、購入の阻害要因なのかもしれません。

早速、オーナー様から売却委託を受けた売買仲介会社に事情を伺いに行きました。仲介会社の社長と話していると、かつてはベッドタウンとして栄えた青梅市ですが、昨今では首都圏への人口集中によって人口は減少傾向にあり、また空き家も増加しているという現状が見え、中古物件の流通に苦慮している様子が窺えました。

実際、「青梅市空家等対策計画 平成29年 12月」(青梅市公表)によると、2013年時点の青梅市の空き家率は13.2%で、1998年の7.5%と比べれば15年で2倍近く増加したことになっています。恐らく現在は更に空き家率は高まっているでしょう。

※参考URL
https://www.city.ome.tokyo.jp/jutaku/documents/akiyataisakukeikaku.pdf

仲介会社の社長は「物件周辺のエリアで広告を打っても反響は全くない。かといって、広い地域に告知をしても需要がある物件ではありません。どうやって売ることができるのか」と頭を悩ましていたようです。

 

空き家を収益化できるか査定を実施


人口減少によって需要が低下し、売りたくても売れない空き家。

実は全国に増加している現象です。人口減少の問題は全国で実に7割の自治体が抱えており、空き家率の増加は日本全国で起きているんです。

しかし、空き家や、用途が定まっていない不動産は、所有しているだけで固定資産税などのコストが発生してしまい、オーナーを苦しめています。

そこで、我々は前出のオーナー様に、民泊としての空き家活用を提案しました。民泊として空き家を活用し、収益化を図ることができれば、最終的に投資物件として売却できると考えたからです。

しかし、民泊として本当に収益が上がるのか。まず、事業予測を立てます

西多摩地域広域行行政協議会が発表する「西多摩地域入込観光客数調査報告書」では、青梅市における観光入込客数が2013年は195.1万人、2017年は215.9万人と、4年で20万人以上が増加していることが分かりました。

※参考URL
平成29年度西多摩地域入込観光客数調査報告書 – 西多摩地域広域行行政協議会
http://www.nishitama-kouiki.jp/about/pdf/kanko-29.pdf
平成25年
http://www.nishitama-kouiki.jp/about/pdf/kanko-25.pdf
西多摩地域広域行政圏協議会
http://www.nishitama-kouiki.jp/about/about.php?n=5

また、同調査の観光地点別の得票数では、御岳山が圧倒的な人気であり、空き家の立地が観光客と親和性が高いことも判明しました。

そのほかにも、周辺の宿泊施設の相場なども考慮し、民泊での運用益を概算、民泊として十分に収益化すると判断し、オーナー様に計画を提案しました。

 

 

空き家の利回りを改善し、投資物件に!


空き家の民泊化に当たり、発生した初期費用は以下です。

・民泊申請費用:15万円
・リフォーム費用:250万円
・家具設置:200万円

総額465万円と、決して安い費用ではありません。しかし、2018年7月から運営開始すると、狙い通り宿泊予約が入ってきました。

運営を開始した2018年7月から12月までの半年間の売上は約300万円、経費などを引いても実利が234万円以上残りました。初期費用の回収も早期で行える計算です。

この物件の利回りを見てみると、1,980万円の売り出し価格の場合、実質利回りは11.8%と、かなりの高利回りです。事実、不動産投資家からの購入希望の話がかなり来ているようです。

このように、民泊を上手く活用することで、空き家を投資物件として販路を見出すことができます。

郊外や過疎地域の空き家は、居住としてのニーズを見つけることが困難な時代になってきました。

一方で、観光客の宿泊や、一時的な滞在などには収益のチャンスがある可能性もあるのです。

当社では、空き家をはじめとした「売れない物件」を民泊化して投資物件にし、売却促進につなげる事業を開始しました。

ただやみくもに行うのではなく、民泊として確実に収益化できる物件かどうかの診断も行っています。

一都三県で売れない物件のオーナー様や、そういったオーナー様からの相談を受けている不動産会社様がいれば、一度ご相談ください。

 

 

※当コラムはセンスコンサルティング合同会社 代表 林晃弘様より寄稿いただきました。

 

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